自然素材の家を建てる前に知っておくべき10のポイント

自然素材の家を建てる前に知っておくべき10のポイント

健康配慮・自然素材の家づくり検討中の方は必見!

私たちは、全てのひとが自然素材の家づくりをしてほしいとは思っていません。
ただ、健康を重視したり、現在アレルギーやシックハウス症候群に悩まされたり
する方の中から、間違った知識で自然素材の住宅を捉えてしまことのないよう
今後の家づくりの参考にしていただければ幸いです。

 

 

Firstly 
[ はじめに]

買い物にはエコバッグ、ペットボトルのかわりに水筒を使う人、
太陽光発電をはじめとしたクリーンエネルギーの導入、ハイブリッド車やEV車を選ぶ人など、
エコを意識した取り組みが日常的に見られるようになりました。

 

 家もまた、環境や健康を意識して、「自然素材」を使った家に興味を持つ人が増えています。
とはいえ、「自然素材の家」の定義や種類は実にさまざま。
なにを選んだらいいのか迷ってしまうという人もいるかもしれません。

 

 このページでは、自然素材の種類やメリット、家づくりのすすめ方はもちろん、
環境や健康とのつながりなど、「自然素材の家」についての疑問に、
ひとつひとつていねいにお答えしていきます。

 

 エコと家族の健康を考えた家づくりのために、ご一読いただければ幸いです。

 

 

Point 01
[ 自然素材住宅とは? ]

「自然素材の家」と聞いて、あなたはなにをイメージしますか?

 

 天然の木材をふんだんに使った家でしょうか。それとも、シックハウスに悩まされることのない家でしょうか。

 

 素材や健康に配慮することはもちろん、そこで暮らす人が心地よく、
長く住み続けられることも自然素材の家に求められる条件です。

 

 「念願のマイホームを手に入れたけれど、なんだか体調が思わしくない…」。
いわゆるシックハウス症候群は、建材に使われる塗料や接着剤に含まれるホルムアルデヒドなどの有機溶剤、
木材に塗布される防腐剤などの化学物質が原因で起こるといわれます。

このため、新築の住宅には24時間換気システムを設置することが義務づけられています。
つまり、24時間換気をしていないと、健康を害するおそれがあるということ。
残念ながら、現代の生活においては、すべての原因物質を取り除くことはできません。
しかし、防腐剤不使用の木材を使ったり、化学物質を吸収・分解するはたらきのある漆喰(しっくい)や
珪藻土(けいそうど)などを使ったりすることで、その害を限りなく少なくしていくことが可能です。

 

 また、自然由来の素材は、人に対してやさしいだけでなく、自然と調和し、環境を汚すこともありません。

 

 選りすぐりの材料を使い、見た目や機能性にも優れ、心と体を癒してくれる住宅こそが、
本物の「自然素材の家」と言えるのではないでしょうか。

 

 

Point 02
[ 自然素材にはどんなものがある? ]

「自然素材の家」の中心となるのは、やっぱり木材。土台や柱などの構造部分はもちろん、
床や壁などに無垢材を使うことで、独特のやさしい風合いが生まれます。

 

 壁には、貝殻や海藻(かいそう)の化石に海藻糊(かいそうのり)などを加えてつくった
漆喰(しっくい)や珪藻土(けいそうど)が使われることも少なくありません。

調湿効果、CO2吸収効果、ホルムアルデヒドの吸収・分解といったはたらきがあるほか、
見た目にもやさしくあたたかみがあるのが特徴です。また、和紙や和紙を使った塗り壁、
珊瑚(さんご)を使った塗り壁、コットンや麻、絹などの自然素材から生まれた壁紙など、
その効果もさることながら、個性的な演出ができるのも魅力です。

 

 せっかくの自然素材の家だから、見えない部分や仕上げにも徹底的にこだわりたいもの。
断熱材もウール(羊毛)をはじめ、木質繊維やコットンなど種類もさまざまです。
これまで一般的に使われることが多かったグラスウールは価格が安い反面、吸湿性が低く、
結露ができやすいのが難点でした。

一方、羊毛を使った断熱材は、湿気を調整し、結露ができにくいのが最大の特徴。
湿度が高いときには吸湿し、低いときには放湿して、部屋の湿度を一定に保ってくれます。

 

 ホルムアルデヒドなどの化学物質を含む接着剤は、自然由来のものに変えれば安心です。
たとえば、お米を原料とした接着剤は、木工用ボンドの4〜7倍もの接着力があるうえ、
万が一口に入ったとしても食品が原料なので体に害をおよぼす心配がありません。

 

 家族の健康や心地よい暮らしのためにも、安全で安心な素材を選びたいですね。

 

 

Point 03
[ 木の種類による違い ]

スギやヒノキ、カラマツやケヤキなど、木の種類によってその性質や用途は異なります。

 

 一般的に土台や柱など、家の構造部分に使われることが多いのがスギやヒノキです。
スギは日本でもっとも多い木で、比較的安価で手に入れることができます。
木目がまっすぐで、柔らかく加工がしやすいので、天井や壁、建具など、幅広い用途があります。
水にも強く、スギの赤身(あかみ)は、古くは船の材料にも使われていたほどです。

一方、ヒノキは高級木材というイメージがありますが、これはスギなどと比べて成長が遅く、
建材として使えるまでに時間がかかるため。強度があり、耐水性、耐久性に優れ、
光沢がある木肌と独特の芳香(ほうこう)が特徴です。

 

 カラマツは寒冷地に多い種類で、成長が早いのが特徴。柱や梁(はり)、垂木(たるき)などのほか、
床材や壁材にも使われます。赤身(あかみ)や節が多いため、味わいのある仕上がりが魅力です。
同じマツでも、いわゆるパインと呼ばれるものは、北欧産のアカマツを指すのが一般的。
女性に人気の北欧家具にもこのパイン材が使われています。

 

 水回りに最適なのがサワラです。水や湿気に強く、防ダニ効果もあるといわれ、浴室や浴槽のほか、
桶(おけ)などの材料としても重宝されています。
ちなみに、スギやヒノキ、カラマツやサワラは針葉樹の仲間です。

 

 これに対し、ケヤキやナラ、サクラといった広葉樹は硬く、加工が難しいものが少なくありません。
反面、傷がつきにくいので、床材などとしてよく利用されています。中でもケヤキは耐久性が高く、
寺社の建築や大黒柱にも使われています。サクラは木目が美しく、家具や工芸品の材料としても人気の木です。

 

 

Point 04
[ 国産材を使うメリット]

「地産地消」という言葉を聞いたことがある人も多いでしょう。地産地消とは、その地域でつくられた
農産物などを、その地域で消費することです。これにより、輸送費用を抑えられえるだけでなく、
食材や食文化への理解を深め、地域経済の活性化にもつながるという考え方です。

 

 これは、木材にもあてはまることです。日本には日本独特の気候があり、山には日本ならではの
木が茂っています。つまり、国産材を使って家を建てるということは、日本の気候に合った木で
家を建てるということ。雨が多い日本では、湿気に強い国産材を使うのがもっとも理にかなっているのです。
もちろん、輸送費は安く、輸送にかかる時間も少なくてすむので、シックハウスの原因となる
防虫剤や防腐剤を使う必要もありません。

 

 国土の7割を占める森林は、日本が誇る豊かな資源です。しかし、残念なことに森は荒れ、
時として自然災害を引き起こす原因となります。日本の木を使って家を建てるようになれば、
山にも手が入り、森はよみがえります。緑が増えれば、温暖化の進行を防ぐことも可能です。
また、そこには人が働く場所も生まれるでしょう。

 

 建築に使われなかった端材(はざい)は、薪として再利用することもできます。その際に発生するCO2は、
カーボンニュートラルという考え方によって、あらたなCO2の排出を抑えます。

 国産材を使って家を建てることは、森と人とが循環し、暮らしと環境を守ることにつながるのです。

 

 

Point 05
[ 集成材と無垢材の違い]

同じ「木」を使った家なのに、本物の木の家と、そうでない木の家とがあるのはなぜでしょう。
前者は天然木である無垢材を使った「自然素材の家」、後者は合板やベニヤに代表されるような集成材を使った
「自然素材風の家」と言うことができるかもしれません。

 

 集成材は薄くカットした木材を接着剤で張り合わせたもので、一見すると木のように見えるため、
「無垢材とどこが違うの?」と疑問に思う人もいるかもしれません。

 

 無垢材、つまり天然の木を使った木材は、製材してからも呼吸を続けています。このため、
木が持つ調湿性や脱臭性、遠赤外線効果によって、夏涼しく冬暖かい、一年を通して快適な住まいが実現します。
集成材のように接着剤を使用していないので、化学物質によるシックハウスやアレルギーの心配も不要です。

 

家を壊したときや建材を燃やしたときも、有害物質や有毒なガスを発生させることがないため、
環境や健康にも影響をおよぼすことがありません。

 

 集成材は、無垢材のように反りやねじれがなく、強度が高いといわれています。
また、無垢材では難しい巨大な一枚板の加工や曲面などをつくることを得意としています。とはいえ、
たとえ無垢材であっても、しっかりと乾燥させることで狂いを少なくしたり、強度を高めることは十分可能です。
なにより、無垢材だけが持つ、木のあたたかさややわらかさ、そして、体と心を癒してくれる健康効果は、
本物の自然素材の家だからこそ得られる魅力のひとつでしょう。

 

 

Point 06
[ 無垢材の選び方]

「木の種類による違い」の項でもお話ししたように、樹種によってその特徴ははっきりと分かれます。
価格もさることながら、部屋の雰囲気や使う場所、用途に合わせて最適の無垢材を選びたいものです。

 

 多くの場合、施主が選ぶことができるのは、床材や壁材になります。中でも床(フローリング)は、
実際に触れることが多い場所なので、その性質などをよく確かめてから決めるのがよいでしょう。

 

 一般的に、スギやヒノキ、マツ(パイン)などの針葉樹は柔らかく、見た目も感触も
あたたかみがあるのが特徴です。素朴で表情豊か、経年によって味わいが増すのも針葉樹のおもしろさ。
足腰にやさしく、素足で歩いても心地よさを感じられます。傷がつきやすいという一面もありますが、
廊下やゆったりとくつろぐリビングなどにはおすすめの材です。

 

 一方、ケヤキやナラ、カエデやサクラといった広葉樹は、木目が美しく、落ち着きのある色合いが特徴。
輸入材にも広葉樹が多く見られます。
硬いので傷がつきにくく、キッチンや子供部屋といった、イスなどを使う機会が多い場所に向いています。

 

 また、同じ木でも、製材の方法や、木のどの部分を使うかによってずいぶんと雰囲気が変わります。
たとえば、木目が平行に並ぶ「柾目(まさめ)」と、木目が渦を巻いたように見える「板目(いため)」。
木の中心部を使った心材(しんざい)(赤身(あかみ))と、皮に近い部分を製材した
辺材(へんざい)(白太(しらた))などがあります。また、斑点のように見える「節」の数によっても、
値段や仕上がりに違いが生まれます。
さらに、天然オイルや蜜蝋(みつろう)ワックスなどを塗ることによっても印象はガラリと変わります。

 

 このように、一口に無垢材といっても実に多種多様。工務店と相談し、
家族の暮らしに合った無垢材を見つけましょう。

 

 

Point 07
[ 無垢材の注意点]

体にも心にも心地よさをもたらしてくれる無垢材。自然素材ならではの特徴を生かし、
長く付き合っていくためには、無垢材が持つクセや性質を知っておく必要があります。

 

人の顔かたちや性格に違いがあるように、木にも一本一本個性があります。色や形、硬さや節の数だけでなく、
製材したあとも、反ったり、曲がったり、ねじれたりと、「暴れ」や「狂い」が出てくることがよくあります。
また、太くまっすぐ育ち、節も少なく、良質な無垢材がとれる木のことを「素性がよい」と言ったりもします。
反対に、曲がったり細かったり、枝が多かったりして、材料として扱いにくい木を
「素性が悪い」と言うこともあります。まるで、人間を見ているようですね。

 

無垢材は、接着剤で固められた集成材と違い、呼吸をしています。このため、温度や湿度などによって
伸縮を繰り返します。たとえば、空気が乾燥していると無垢材は縮んでしまいます。
冬になるとフローリングにすき間ができるという声が聞かれるのはこのためです。

 

無垢材に多少の狂いが出るのは、木が生きている証拠。木と一緒に暮らすという意識と余裕を持つことも、
自然素材の家を楽しむために必要なことなのかもしれません。

 

もちろん、施工にあたっては、木を知りつくした工務店や職人さんであれば、木の素性を読み取り、
無垢材を適材適所に配置し、それぞれの特性を生かした工事をしてくれます。
頼りになる会社を探すことも、無垢材を選ぶ上で大切なことのひとつです。

 

 

Point 08
[ あなたに合う自然素材]

自然素材の仲間には、無垢材のほかにも漆喰(しっくい)や珪藻土(けいそうど)、和紙や布などを
使った壁紙などがあり、その種類は豊富です。それだけに、自分が思い描く家にはどんな素材が
合っているのか、迷ってしまう人もいるでしょう。

 

ここでは、そのいくつかをピックアップして、特徴を見てみることにします。

 

まずは、おなじみの漆喰(しっくい)や珪藻土(けいそうど)。見た目や雰囲気が似ているため、
なにが違うのか疑問を持つ人も多いようです。漆喰(しっくい)は、石灰に海藻糊(かいそうのり)、
スサと呼ばれる草などの繊維質を混ぜたもの。珪藻土(けいそうど)は、珪藻(けいそう)
という藻の殻の化石に海藻糊(かいそうのり)やスサなどを混ぜ込んだものです。
この二つの共通点は、調湿機能や断熱効果があること、消臭性や防火性に優れていることです。

特に漆喰(しっくい)は、CO2を吸収するはたらきや、カビや細菌の発生・増殖を抑える効果、
ホルムアルデヒドを分解する力を備えています。このほかにも、ビニールのクロスのかわりに、
和紙や麻、絹などを壁材として利用する人も増えています。

 

珍しいところでは、新琉球漆喰(しんりゅうきゅうしっくい)と呼ばれる、沖縄の自然素材を
原料とした壁材も。珊瑚(さんご)や石灰、赤土や赤瓦をベースに消石灰、凝固を促す無機質の
FC剤を加えたもので、臭いや化学物質の発生を抑えます。

 

また、煙でいぶした燻煙材(くんえんざい)も注目を集めています。木材をじっくりといぶすことで、
調湿・消臭・防虫・防カビ効果など、無垢材が持つ特性が一段と高まり、耐久性も向上します。
このため、構造材として使われることも多く、しっかりとした骨組みの家ができあがります。

 

個性的な自然素材の特徴を知ることで、どんな素材を使うのがよいのかが見えてくるでしょう。

 

 

Point 09
[ 自然素材のメリット]

「自然素材の家はコストが高そう」「手入れが大変そう」「耐久性や耐震性が心配」。
そんな不安を持っている人もいるかもしれませんね。

 

自然素材は、新建材などと比べて高価なものと思われがちです。しかし、国産材の値段は下がり続けていて、
今までのように、ただ単に「高い」というイメージはありません。むしろ、
世代を超えて長く住み続けることができるため、値段以上のメリットを感じることができるはずです。

 

私たちのように、工務店同士のネットワークによって材料の共同購入が行われるケースもあり、
これによって、さらなるコストダウンが期待できます。

 

また、手をかけた分だけ味わいや輝きが増すのも無垢材や自然素材のいいところ。特別な手入れは必要なく、
汚れたら雑巾がけなどをすれば十分。愛情を持って接することが、自然素材の家を長持ちさせるコツです。
無垢材は年月を重ねるほど強度が増していくという特徴もあるため、耐久性や耐震性にもすぐれています。

 

自然素材の家は、お子さんをお持ちのご家庭にもおすすめです。無垢材は、衝撃をやわらげたり、
反響音を吸収したりする効果もあるので、お子さんが家中を走り回っても大丈夫。
元気にのびのびと遊ばせてあげることができます。

 

もちろん、無垢材以外にもメリットはいろいろ。たとえば、漆喰(しっくい)や珪藻土(けいそうど)は、
その効果もさることながら、さまざまな表情が出せるのも特徴です。
塗り方ひとつで、和風にも洋風にも、モダンにもクラシックにも変化します。

 

自然素材の家は、住むほどに愛着が増す、理想の住まいなのです。

 

 

Point 10
[ 成功する家づくりとは]

「百聞は一見に如かず」ということわざがあります。

 

家を建てる決心をしたら、まずは情報を集めることが必要です。このページをお読みいただくことはもちろん、
チラシやインターネットなど、ありとあらゆるところから情報を手に入れることができます。

 

しかし、より具体的で鮮明なプランを描くためには、やはり実際の現場に足を運ぶのがいちばんです。
自然素材が持つ風合いや、自然素材ならではの施工方法など、
現場でしか得ることのできない情報も多いはずです。

 

私たち地域の工務店の多くは、大手のハウスメーカーと違い、構造見学会を開催しています。
積極的に訪問してみるのがよいでしょう。形になってしまってからでは見ることのできない、
修正がきかない部分まで、しっかりとチェックすることができるのでおすすめです。
もちろん、完成現場見学会で仕上がりを確認することも大切。
自然素材を使った家での暮らしが具体的にイメージできる絶好の機会です。

 

そして、遠慮なく、現場で疑問をぶつけてみてください。自然素材の家は、いわば「こだわりの家」。
私たち工務店も、あなたに知ってほしいことや伝えたいことがたくさんあるのです。
自然素材の奥深さ、自分に合った素材はどういうものなのか、親身になって相談に乗ってくれるでしょう。

 

住むほどに味わいの出る、自然素材の家。心地のよい家は、きっと「帰りたくなる家」になるはずです。

 

 

Last
[ おわりに]

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

自然素材の家は、体と心を癒す健康住宅。近年、多くの人が関心を持つようになっています。
それにともない、「自然素材の家」や「健康住宅」を売りにする住宅メーカーも増えてきました。
しかし、そのボーダーラインは曖昧で、中には「自然素材の家」とは言えないような
「自然素材風の家」もたくさんあります。

 

自然素材の家を検討しているのであれば、ぜひ現場に足を運んで、「本物」を体感されることをおすすめします。
自然素材の家を選ぶ多くの人が、健康や癒しを求めているはずです。そのためにも、
長く付き合える家との出会い、信頼できる工務店との出会いが、理想の家づくりのカギといえるでしょう。

 

このページが、そのきっかけとなることを願っています。

 

※参考 ナチュラルハウスが加盟する 自然素材の家づくり研究会より

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